- ゼットソーは種類がありすぎて何を選べばいいかわからない
- DIYで使うおすすめのゼットソーはどれ?
- 初めて買うおすすめのゼットソーは?
ホームセンターでもよく目にするゼットソーですが、店頭に並んでいるものでも数が多すぎて迷ってしまいますよね?
私は住宅を建てる大工をしていましたが、当時は3種類のゼットソーを使い分けていました。そんな私がゼットソー選びに迷っているあなたのために、ゼットソーの違いと選び方を丁寧に解説していきます。
この記事を読めばいくつも種類があるゼットソーの違いを理解して、迷わずに選ぶことができるようになります。ちょっとしたDIYに便利なタイプも紹介していくので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

ゼットソーを選ぶ際に、少しだけ身につけておきたい知識があるので解説していきます。

今後ノコギリ選びが迷わずにできるくらい丁寧に解説していくよ!
ゼットソーの区分と柄の種類
ゼットソーは色々なカテゴリに分かれています。例えば
- ゼットソー:主に建材用
- ライフソー:主に木工用
- パイプソー:主に塩ビパイプ用
- パネルソー:主に板材用
など名称ごとにある程度、用途ごとに分かれています。また取り付けられる柄が違ったりします。
柄の種類にはざっくりと3種類の分けられ、以下のように覚えておけば大丈夫です。
- ゼットソー・パイプソーに取り付け可能の柄
- パネルソー専用の柄
- ライフソー専用の柄
ゼットソー商品名の特徴
ゼットソーの品名には「265」や「300」などの数字が記してあります。これはノコギリ刃の先端から根本までの長さ(刃渡り)をミリメートルで表したものになっています。
7寸目、8寸目も表記が違うだけで同じ意味になります。(7寸目=225mm、8寸目=250mm)
またゼットソーには「α」「Ⅲ」「大工目」「精密目」などが表記されているものがあります。これはそれぞれのノコギリの特徴を表記しています。
- α(アルファ):刃がアール状になっていて横引きに特化している
- Ⅲ(スリー):横引き、縦引き、ななめ引きの3方向に切ることができる
- 大工目:ノコギリ刃のピッチ(ギザギザの感覚)が265と同じ
- 精密目:ノコギリ刃のピッチが細かく、見切り材などに有効
木材に対してのこぎりが切る方向
のこぎりで木材を切る行為を「のこぎりで引く」と表現します。のこぎりを引く方向は3種類あり、横引き、縦引き、ななめ引きによってのこぎりは種類を変えて使い分けます。


今回実際に使用した8種類のゼットソーを比較表にしました。価格や柄の種類などを一目で確認することができます。
品名 | 価格(税込) | 柄の種類 | 引き方向 | アサリの有無 | 切り幅 | 刃のピッチ |
---|---|---|---|---|---|---|
ゼットソー265![]() | 3,003円 | ゼットソー・パイプソーに取り付け可能の柄 | 横引き | あり | 0.92mm | 1.75mm |
ゼットソーⅢ265![]() | 3,003円 | ゼットソー・パイプソーに取り付け可能の柄 | 横引き、縦引き、ななめ引き | あり | 0.92mm | 1.75mm |
ゼットソーα265![]() | 3,322円 | ゼットソー・パイプソーに取り付け可能の柄 | 横引き | あり | 0.88mm | 1.75mm |
ゼットソー8寸目![]() | 3,465円 | ゼットソー・パイプソーに取り付け可能の柄 | 横引き | あり | 0.66mm | 1.40mm |
ゼットソーⅢ8寸目![]() | 3,465円 | ゼットソー・パイプソーに取り付け可能の柄 | 横引き、縦引き、ななめ引き | あり | 0.66mm | 1.40mm |
ゼットソー7寸目![]() | 3,498円 | ゼットソー・パイプソーに取り付け可能の柄 | 横引き | あり | 0.56m | 1.20mm |
デコラソー![]() | 2,090円 | ゼットソー・パイプソーに取り付け可能の柄 | 横引き | あり | 0.90mm | 1.50mm |
ライフソー クラフト145![]() | 1,804円 | ライフソー用の柄 | 横引き | なし | 0.40mm | 1.20mm |
※写真の柄はセットソー赤ハンドル(別売り)
表にも出てきたあさりとは、のこぎりの刃の開きを指します。のこぎりは切った溝から木屑を掻き出すため、やや刃が開いています。この開きがないのこぎりは木屑の掻き出しは悪くなりますが、切り幅を小さくしたり、埋木を傷付けずに切ったりできます。

刃のピッチとはノコギリのギザギザの間隔のことです。この数値が小さい(細かい)ほど精密な作業に向いています。ピッチが細かいと引っ掛かりが少なくなるので、初心者の方はピッチが細かいものがおすすめです。


ゼットソー選びに迷ってしまった時は『ゼットソーⅢ8寸目』がおすすめです。
ゼットソーⅢ8寸目は横引き、縦引き、ななめ引きを行うことができます。かつ、ある程度大きな材料を切断することも、精密な作業をすることもできます。
ゼットソー265や300は刃が大きいため住宅の構造材を切るのに適してますが、家具や小物を作るDIYの作業には向いていません。より精密な作業ができる7寸目は縦引きとななめ引きに向いてないため、切断までに時間がかかります。
DIYを始める際にノコギリを1本も持っておらず、木材用のノコギリを探しているならゼットソーⅢ8寸目を選んでおけば間違いありません。

ゼットソーはどんな用途をするかで選ぶものが変わってきます。ここからはそれぞれの使い道に適したゼットソーを紹介していきます。
横引き、縦引き、ななめ引き全部やるなら『ゼットソーⅢ8寸目』がおすすめ
- とりあえず1本、木材用のノコギリが欲しい
- 作りたい作品がまだぼんやりしている
という方は横引き、縦引き、ななめ引きができて、精密な加工にも向いてる『ゼットソーⅢ8寸目』がおすすめです。
DIYを始めると意外に手工具で木材を切る機会があります。木材は切る方向ごとにノコギリを変える必要がありますが、いちいち取り替えるのはめんどくさいです。
縦引き、ななめ引きに対応している『ゼットソーⅢ265』では、サイズが大きいため精密な作業がやりづらくDIYでは活躍の場面は少なめです。
ゼットソーⅢ8寸目ならある程度大きめの木材も切断でき、精密な切断も可能です。大工さんが造作を行う時はもちろん、家具職人の方もからも好評の1本です。
板材や大きめの角材の切断には『ゼットソーα265』がおすすめ
ゼットソーα265は「究極の横引き」とキャッチコピーが付けられている横引きに特化したノコギリです。横引きをスムーズに行ったり、10センチ以上の角材を切りたいときにおすすめです。
このノコギリは刃がアール状になっており、のこぎりと木材の接する面積が小さいことから軽快に木材を切断することができます。

幅が広い板材を加工する時に横引きが驚くほどあっという間に終わります。1×10材(19×235)や合板のように薄いのに幅が広い木材には非常に重宝します。
10センチ以上の角材をDIYで加工する場面は少ないですが、それも軽快に切断することができます。また縦引きやななめ引きは苦手なので、その作業も行う方は『ゼットソーⅢ8寸目 替刃』を1枚買っておけば不自由なく作業することができますよ。
値段を抑えて使いたいなら『デコラソー』
非常にコスパが良いのに意外と知られてない『デコラソー』。本来はデコラ材という内装材を切るためのノコギリですが、一般的な木材も問題なく切ることができます。
デコラソーを選ぶ1番のメリットは価格の安さです。ゼットソーⅢ8寸目は替刃1枚1,573円するのに対し、デコラソーは替刃1枚で506円という破格で手に入れることができます。
もともと内装材を切断するために作られたのでピッチも細かく、精密な作業にも使用できます。さらにゼットソー・パイプソー用の柄に取り付けられるので、柄を持っていればかなり金額を抑えることも可能です。
ただし板厚や切り幅が大きい、ノコ身が狭いため曲がりやすいなど、使い方に少しコツが必要ではあります。ある程度ノコギリの使い方を身につけた中級者の方に、ぜひ一度試して欲しいノコギリです。
※価格は標準価格


ここからはDIYで大活躍するゼットソーを紹介していきます。特に初心者の方やお子さんとDIYする方におすすめです。
安全に使いたいDIY初心者や子供におすすめ『ソーガイド・ベスト 鋸セット』
『ソーガイド・ベスト 鋸セット』は以下の品物がセットになっている商品です。
- ソーガイドベスト
- ライフソーハンドル
- ライフソー9寸目265 替刃
- ライフソー木工175 替刃
『ソーガイドベスト』はノコギリで真っ直ぐに切るためのガイドで、初心者の方でも真っ直ぐにノコギリを扱えます。『ライフソー9寸目265』はゼットソーⅢ265と同じ性能のノコギリで、『ライフソー木工175』は刃のピッチが細かく精密な作業に向いています。
これらは初心者の方や子供が扱っても真っ直ぐに切れるだけではなく、柄も軽く握りやすいので力に自信がない方にも扱うことができます。詳しい使い方は以下の動画をご覧ください。
この商品のデメリットは値段が少し高い点と、ついてくる替刃はゼットソー用の柄には取り付けられない点です。
しかしのこぎりが2種類ついてくるのでノコギリ選びを迷う必要がなく、安全に使えるガイド付きなので初心者の方にありがたいセットになっています。

埋木や小物の凸部の切断には『ライフソークラフト145』
埋木(ダボ)の切断や凸部の切断には『ライフソークラフト145』がおすすめです。このノコギリはアサリがないため、埋木の切断の時に周りの木材を傷つけずに切ることができます。
本来アサリがあった方がノコギリの切断効率は上がりますが、埋木を切るときにはかえって傷をつけてしまいます。
このノコギリはアサリがないため、埋木を切るときに木材に刃を押し当てても傷つけずに切ることが可能です。
さらにライフソークラフト145は小さく軽量なので、力に自信がない方や子供が使用するときにも向いてます。ただ刃物なので、怪我には十分注意して取り扱う必要があります。
曲線に切りたいなら『ライフソー木工ペッカー150』
板材に円形などにくり抜いたり、曲線にそって加工したい時は『ライフソー木工ペッカー150』がおすすめです。
これまで紹介してきたゼットソーでは曲線の加工はできないので、専用のノコギリを用いる必要があります。ライフソー木工ペッカーは曲線加工に適していて、板材や合板の曲線加工が行えます。
トリマーやジグソーを持ってない方でも、棚や椅子の背もたれを円形や星形にくり抜きを行えます。
ライフソー木工ペッカーはサイズが3種類(90、150、210)あるので、作りたい作品の大きさで選ぶこともできます。
今回はゼットソーの選び方と用途ごとのおすすめのゼットソーを紹介しました。DIYで使うノコギリの参考にしてみてください。
また迷った時は『ゼットソーⅢ8寸目』がおすすめです。大きな木材にも精密な作業にも使えておすすめです。
以下の記事では人気の『ゼットソー265シリーズ』の違いについて詳しく解説しています。ゼットソー265を買いたいけど何が違うかわからない方はこちらの記事も併せて読んでみてください。